2009年7月6日月曜日

病院でのある一幕

ある病院での出来事ですが、隣から母親と息子の会話が聞こえてきました。

 「鉛筆は持ってないのか?」
 「無いよ。」
 「使えねぇ奴だな。」

病院の受付から何か書くように言われた時だったようで、その後、診察室に呼ばれた時です。

 「一緒に行くよ」
 「いいよ、お前に何ができる」

息子はそう言い残して診察室に入っていきました。後に残された母親は大きく溜息をついていました。何があったのかわかりませんが、相手を思う気持ちを引き裂く刃の様な言葉でした。


その後、初老の男性が入って来て、受付で親しげに話し始めました。

 「予約していないのですか?」
 「初診です。この病院に通っている○△さんが時々(私の家に)遊びに来ていて、この病院の先生は良いと聞きました。」
 「ごめんなさい、予約制なんです。」
 「私は近くにマンションを持っている。そして、私は作家です。今日はわざわざ遠方から来たので、せめて薬だけでも欲しい」
 「ここの先生は、薬だけっていうのは駄目と言われます。」

そう言われると、少しだけ食い下がりましたが、諦めて渋々帰って行きました。

こちらは悪意は無いのでしょうが、年を取ると子供に戻るのか、元々の性格なのか、随分関係無い条件を引き合いに交渉する人でした。


珍しく色々あった待合室の出来事でした。